専任技術者とは?資格がなくてもなれる?要件と証明方法を解説

建設業許可の要件の中で、経営業務の管理責任者(経管)と並ぶもう一つの柱が「専任技術者」です。「資格を持っている人がいないと許可は取れない?」というご相談が多いのですが、結論から言うと、資格がなくても実務経験でなれるルートがあります。この記事では、専任技術者の要件と証明方法を整理します。

目次

専任技術者とは:営業所の「技術の責任者」

専任技術者とは、営業所ごとに常勤して、見積・契約の際の技術的な判断や、工事の適正な施工の確保を担う技術者のことです。現場に配置する主任技術者とは役割が異なり、こちらは「営業所に常勤する」ポジションです(令和6年の法改正で正式名称は「営業所技術者等」に変わりましたが、実務では今も専任技術者・専技と呼ばれることが多いため、本記事でもこの呼び方で説明します)。

許可を受けたい業種ごとに、要件を満たす人が必要です。

専任技術者になれる3つのルート

ルート内容証明のしやすさ
① 国家資格施工管理技士など、業種に対応する資格を保有資格証明書でスムーズ
② 実務経験10年その業種の実務経験が10年以上経験の裏付け資料が必要になる場合あり
③ 指定学科卒+実務経験高校・大学等で指定学科を卒業し、実務経験3〜5年卒業証明書+経験証明

ポイントは②の実務経験ルートです。「資格がないから無理」とあきらめる必要はなく、10年以上その業種の仕事をしてきた実績を証明できれば専任技術者になれます。ただし、複数の業種で専任技術者になる場合、経験期間を重複してカウントすることはできません(2業種なら原則20年分が必要です)。

岐阜県での経験の証明方法

岐阜県の手引(令和8年4月版)では、実務経験の証明は原則として実務経験証明書の提出で足り、追加資料は不要とされています。ただし、業種の判別が難しいケースでは契約書・注文書などの追加資料を求められることがあります。

証明書は前職の会社に書いてもらう場面も多く、退職の仕方や会社との関係によっては協力を得るのに苦労することもあるため、独立を考えている方は在職中から準備を意識しておくとスムーズです。

「常勤・専任」の意味と、実務で怖い「空白期間」

専任技術者は、①他社に籍を置いていない、②その営業所に常勤している、③その職務に専従している、という状態が求められます。他社の従業員や役員との兼務はできず、常勤性は社会保険の記録などで確認されます。

そして実務で一番怖いのが、退職による空白期間です。専任技術者が欠けた状態は許可の維持そのものに関わり、2週間以内の届出と後任の確保が必要になります。

後任を「辞めてから探す」のでは空白が生じてしまうため、退職の話が出た時点で、社内の有資格者・経験者の棚卸しを始めてください。要件を満たす人が社内に複数いる会社は、この場面で強さを発揮します。

○ 安全なパターン

退職の話が出る → 在職中に後任を確保 → 退職日に交代 → 空白ゼロで許可維持

× 危険なパターン

退職してから採用活動 → 空白期間が発生 → 許可の維持に問題、受注にも影響

よくあるご質問

Q. 社長が経管と専任技術者を兼ねることはできますか?

A. できます。同じ営業所に常勤し、それぞれの要件を満たしていれば、1人で経管と専任技術者を兼ねることが可能です。1人親方や小規模な会社では、社長が両方を兼ねるケースがむしろ一般的です。経管の要件は「経営業務の管理責任者(経管)とは?」で解説しています。

Q. 専任技術者は現場に出てはいけないのですか?

A. 営業所への常勤が原則のため、無条件に兼ねられるわけではありません。ただし令和6年12月13日施行の改正で、要件を満たせば1つの工事現場に限って主任技術者等を兼ねられる特例が設けられました。主な要件は、

①請負代金が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)、

②その営業所で締結した工事であること、

③営業所から1日で巡回でき、移動時間がおおむね2時間以内であること、

④情報通信技術を使って現場の施工体制を確認できる措置をとること、

⑤現場に連絡員を配置すること、

⑥下請の次数が3次までであること、

⑦人員の配置を示す計画書を作成・保存すること、です。

1つでも欠ければ兼務はできないため、該当しそうな場合は個別にご相談ください。

Q. 実務経験10年の証明には何が必要ですか?

A. 岐阜県では原則として実務経験証明書ですが、業種が判別しにくい場合は契約書・注文書等の追加資料が必要になることがあります。経験証明のハードルは前職の協力の有無にも左右されるため、早めに見通しを立てておくのが安全です。要件全体の整理は「建設業許可の5つの要件」もご覧ください。

まとめ:資格・経験・学歴の3ルートで考える

専任技術者は、①国家資格、②実務経験10年、③指定学科卒+実務経験3〜5年、の3ルートのどれかで要件を満たせます。資格者がいなくても道はありますが、経験ルートは証明書類の準備がカギになります。「うちの職歴で要件を満たせるか」を確認したい方は、初回相談は無料ですのでお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案への適用を保証するものではありません。制度の内容は改正される場合があります。証明書類の運用は岐阜県「建設業許可申請の手引」(令和8年4月版)に基づいています。

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