建設業許可の申請では、要件を満たしていることを書類で示す必要があります。岐阜県の令和8年4月版手引は、許可要件を①適切な経営能力、②適切な社会保険等への加入、③営業所技術者等、④誠実性、⑤財産的基礎等の5項目に整理し、欠格要件を別に定めています。本記事では、確認漏れを防ぐため、欠格要件も加えた6項目としてやさしく整理します。
① 適切な経営能力(常勤役員等)
建設業の経営経験を持つ人が、常勤の役員(個人事業の場合は事業主本人など)として経営にあたっていることが求められます。いわゆる「経営業務の管理責任者(経管)」と呼ばれてきた要件です。建設業に関する経営経験の年数を、過去の登記や確定申告書、契約書などで証明していきます。
ここでのポイントは、登記上の「地位」(取締役であった期間など)と、確定申告書や契約書・請求書で示す「実態」(実際に建設業の経営に携わっていた期間)が、同じ期間で重なっている必要があるという点です。
役員だった期間が5年あっても、会社が建設業を営んでいた実績がそのうち3年分しか確認できなければ、経営経験としては3年しかカウントされない、といったことが起こり得ます。
書類が残っているかどうかが結果を左右するため、早めに手元の資料を確認しておくことをおすすめします。
② 適切な社会保険等への加入
申請者が健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用事業所に当たる場合、それぞれに適切に加入していることが許可要件です。健康保険・厚生年金保険と雇用保険では適用条件が異なるため、法人・個人という区分や従業員数だけで一律に判断せず、年金事務所・ハローワーク等の現行案内も確認してください。
社会保険関係の資料は、加入状況の確認に加え、常勤役員等や営業所技術者等の常勤性を確認する資料として使われることがあります。必要な資料は加入制度や申請方法で異なるため、岐阜県の最新手引に沿って準備してください。
③ 営業所技術者等
営業所ごとに、許可を受けたい業種に対応する資格や実務経験を持つ営業所技術者等が常勤していることが必要です。国家資格(施工管理技士など)によるほか、資格や指定学科の卒業歴と実務経験、または10年以上の実務経験などにより要件を満たす方法があります。
10年の実務経験で証明する場合は、実務経験証明書を提出します。岐阜県の手引では、証明書だけでは業種の確認が難しい場合に、契約書や注文書など、工事の実態と業種が分かる追加資料を求めるとしています。
見積書や請求書を使う場合も、発注者の証明などにより契約当事者双方の合意を確認できることが必要です。
実務経験の期間は業種間で重複できず、原則として1業種10年、2業種なら20年が必要です。
実務経験は、要件に合う複数の勤務先等での期間を通算できる場合があります。
ただし、それぞれの期間を実務経験証明書で示す必要があり、使える追加資料も一律ではありません。
指定学科の卒業や一定の資格によって必要年数が短くなる場合もあるため、手元の資格・学歴・経験期間を整理し、代替資料の可否を申請窓口へ事前に確認してください。
④ 誠実性
請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。確認対象は申請者本人・法人だけでなく、取締役、顧問・相談役、一定の株主等の「役員等」と、支店長など政令で定める使用人にも及びます。申請者の組織と関係者を整理し、最新の手引で確認してください。
⑤ 財産的基礎等
一般建設業では、自己資本が500万円以上あること、または500万円以上の資金調達能力があることなどが求められます。
岐阜県では、直近の貸借対照表の純資産額が500万円以上なら財産的基礎の確認資料は不要とし、500万円未満なら、証明基準日が申請直前1か月以内の預金残高証明書または融資証明書を求めています。
更新申請では、過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績があれば確認資料を省略できる扱いがありますが、個別の提出要否は最新の手引・チェックリストで確認してください。
ワンポイント: ここでの「500万円」は、許可を取得するための財産的基礎の基準です。よく似た数字で混同されやすいのですが、「500万円未満の工事なら許可がなくても請け負える」という軽微な工事の基準は、これとは別の話です。
軽微な工事かどうかの判定では、金額を消費税込みで見る、注文者から材料の支給があれば市場価格相当額を加算する、正当な理由のない分割発注は合計額で判定する、といった点に注意が必要です。許可の要否そのものの基準については「建設業許可はいつ必要?「500万円」の基準」で詳しく解説しています。
別枠:欠格要件に該当しないこと
役員等が、破産して復権を得ていない、一定の刑罰の執行終了等から5年を経過していないなど、法律上の欠格要件に該当する場合は許可を受けられません。対象となる人、刑や期間は個別に定められているため、申請書の該当欄は事実関係に基づいて正確に記載し、不明点は申請窓口へ確認してください。
まとめ:要件確認は「証明できるか」がカギ
岐阜県の手引が示す5つの許可要件に加え、欠格要件にも該当しないことを確認します。要件を満たしているだけでなく、必要な資料で確認できることが重要です。ご自身が要件を満たすか知りたい方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。費用の目安は「建設業許可の費用はいくら?岐阜県の手数料と行政書士報酬を解説」でも整理しています。
※ 本記事は2026年8月3日時点の公表情報に基づく一般的な案内です。個別の要件・証明資料は申請内容により異なるため、申請時には岐阜県の最新手引と申請窓口の案内をご確認ください。
あわせて読みたい
FREE CONSULTATION
まずは状況をお聞かせください
手続きが必要か分からない段階でも大丈夫です。状況を整理するところからご相談いただけます。
- 初回相談無料
- 相談のみOK
- 2営業日以内に返信
入力内容はSSL通信で暗号化されます
